レノボ IdeaPad Y570の実機レビュー

GDDR5のGeForce GT 555M搭載
IdeaPad Y570は、GDDR5のGeForce GT 555Mを搭載したミドル~ハイスペックモデルの15.6型ノートPCです。
SSDをHDDのキャッシュとして用いるRapidDrive機能も搭載し、高速起動も実現しています。
また、JBL製スピーカーを搭載しノートPCにしては音質も良く、ThinkPadほどではないものの比較的打ちやすいキーボードを搭載しています。
いずれの機能も平均点以上で、まんべんなく優れているノートPCです。
同様なスペックのライバル機種とも比較しならが、レビューしたいと思います。
目次
IdeaPad Y570 の基本スペック
本機の基本スペックを紹介します。※2011年9月11日現在の情報です。
CPU Core i7-2630QMです。 |
グラフィックカード GeForce GT 555M(GDDR5 1GB)を搭載しています。Optimusテクノロジー対応です。 |
液晶ディスプレイ 15.6型の光沢液晶(1366x768)です。尚、パネルはLP156WH4-TLA1(LG製)でした。 |
メモリ PC3-10600のメモリを搭載可能です。本機は4GBです。 |
ハードディスク 5400rpmの 750GBのハードディスクです。中身はWD7500BPVT-24HXZT1でした。 |
SSD RapidDrive用に64GBのSSDも搭載しています。HDDのキャッシュとして使用されます。 |
光学ドライブ ブルーレイドライブを搭載しています。中身は、BD-MLT UJ240AF(松下製)でした。 |
バッテリ駆動時間 メーカー発表値では、6.3時間駆動します。実測値は後述します。 |
特徴1 - GDDR5のGeForce GT 555M搭載
本機は、GeForce GT 555M(仕様は下図の通り)を搭載し、中程度の重さのゲームならプレイ可能です。
GeForce GT 555Mには、GDDR5とDDR3を搭載したモデルがありますが、GDDR5のほうがDDR3より高速で、本機はGDDR5(1GB)を搭載しています。

また、状況によってGPUを切り替えるOptimusテクノロジーに対応しています。
本体正面に、GPUスイッチがあり、Optimusをオフにしたりオンにしたりできます。Optimus オフのときは必ずインテルHDグラフィックス を利用します。Optimusオンのときは状況によってグラフィックスを切り替えます。

ゲームのベンチマークの結果を下の表に掲載します。以前レビューしたマウスコンピューターのLuvBook Kと、Radeon HD 6770Mを搭載したHP dv7-6100のベンチマーク結果も合わせて掲載します。本当は、dv7-6100ではなく、15.6型のdv6-6100と比較したかったのですが、Radeon HD 6770Mを搭載したモデルを試したことがなかったため、同GPUを搭載したdv7-6100の結果を掲載しています。
結果としては、IdeaPad Y570は、他の2機種よりもややスコアが落ちました。LuvBook Kのグラボは、(調べ忘れたのですが)おそらくDDR3のGeForce GT 555Mだと思います。そのため、LuvBook KよりもIdeaPad Y570のほうがスコアは良くなるはずなのですが、なぜかIdeaPad Y570のほうが低いスコア値でした。CPU、メモリ、ストレージはLuvBook Kのほうが良いので、微少ながらもそれらが影響しているのかもしれませんが、原因は不明です。
| 製品名 | レノボ IdeaPad Y570 |
マウスコンピューター LuvBook K |
HP dv7-6100 |
||
| 基本スペック | Core i7-2630QM、 GeForce GT 555M (GDDR5 1GB) |
Core i7-2820QM、GeForce GT 555M | Core i7-2820QM、Radeon HD 6770M | ||
| 重めの ゲーム |
ロストプラネット 2(テストB) | 1920*1080 | - | RANK D(10.6 fps) | - |
| 1280*720 | - | RANK C(16.1 fps) | - | ||
| ファイナルファンタジー XIV | 1920*1080 | - | 1282(動作困難) | 1115(動作困難) | |
| 1280*720 | 2058(やや重い) | 2519(普通) | 2139(やや重い) | ||
| 中程度の ゲーム |
バイオハザード5(テストB) | 1920*1080 | - | RANK B(39.1 fps) | RANK B(39.1 fps) |
| 1280*720 | RANK B(56.6 fps) | RANK A(67.7 fps) | RANK A(63.6 fps) | ||
| モンスターハンターフロンティア第二弾(絆) | 1920*1080 | - | 1932 | 2279 | |
| 1280*720 | 3367 | 3533 | 4210 | ||
| 軽めの ゲーム |
THE LAST REMNANT | 1920*1080 | - | 37.90 fps | 36.02 fps |
| 1280*720 | 51.78 fps | 58.45 fps | 57.98 fps | ||
| デビルメイクライ4 | 1920*1080 | - | RANK B | RANK B | |
| 1280*720 | RANK S | RANK S | RANK S | ||
特徴2 - RapidDriveで起動が速い
IdeaPad Y570はRapidDriveという機能を搭載しており、PCの起動、アプリの起動などが高速になっています。下の表が、起動時間などの実測値となります。最新のSSDを搭載した場合よりは遅いですが、HDDよりは速いです。
| PC起動時間 | PC停止時間 | PDFファイルを開く時間 |
|---|---|---|
| 約25秒 | 約11秒 | 約1秒 |
PC停止時間:シャットダウン実行後、すべての動作ランプが消えるまでの時間
PDFファイルを開く時間:約10MBのPDファイルを開く時間
RapidDriveの仕組みとしては、インテル・スマート・レスポンス・テクノロジー(Intel SRT)に似ており、SSDをハードディスクのキャッシュとして使うことで、高速化を実現しています。
ただし、CrystalDiskMarkでのディスク速度のベンチマークを測定してみたところ、HDDと同等の速度しか出ませんでした。SSSDをキャッシュとして使用しているのだから、少なくともReadはSSDと同等な速度になると思ったのですが、そうではありませんでした。RapidDriveの詳細な仕様がわからないので、なんとも言えませんが、Intel SRTと違い、RapidDriveは、OSまたはアプリの起動のみしか速くならないのかしれません。
ただ、Windows エクスペリエンスインデックスや、PassMarkなどのベンチ結果は、SSD並みのスコアが出るんですよね・・・。謎です。

CドライブのCrystalDiskMark 3.0.1bの実行結果
特徴3 - ノートPCにしては音がいい

JBL製スピーカー搭載
IdeaPad Y570は、JBL製のステレオスピーカー(1.5W×2)を搭載しており、ノートパソコンにしては音が良い方です。
ただし、同じJBL製スピーカー(4W×2)および12Wサブウーファーを搭載したDELL XPS 15よりは音質が落ちます。
キーボードとタッチパッドのチェック
IdeaPad Y570のキーボードは、比較的打ちやすい部類に入ると思います。
本機は、アイソレーションタイプのキーボードを採用し、キーピッチは、横:19mm、縦:18.5mmと十分広いです。また、キートップが凹んで指がフィットしやすいです。キーストロークは約2mmで、たわみはありません。
ただし、テンキーを搭載している影響で、Enterキーおよびテンキーの横幅がやや短いです。

キーボード全体図

キートップは凹んでおり、指がフィットしやすい

キーストロークは約2mmと十分
タッチパッドは、点字のようにややボコボコしており、指がべったりと付くことなく、滑りやすくなっています。クリックボタンは、左右一体型で、端をクリックすると軽くて押しやすいですが、中央部分をクリックしてしまうと重くて押しづらいです。毎回同じ部分を押せれば良いですが、そうでないと力の加減が難しいです。

クリックボタンは左右一体型
液晶ディスプレイのチェック
本機は、15.6型(1366x768)の光沢液晶を搭載しています。パネルは、LP156WH4-TLA1(LG製)でした。
特に問題なく使用できますが、ややメリハリがなく、のっぺりした画質です。

正面からの画像
詳細を見ていきます。
まず視野角は広くありません。一般的なノートPC並みです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青がかなり低めに調整され、赤と緑はS字のように調整されています。(下図)。そのため実際の画面は、やや青みが強く、また暗いところはやや明るめに、明るいところはやや暗めになり、メリハリのない画面になっています。
※尚、同じパネルが搭載されるとは限りませんし、パネルによって調整は異なります。

ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V様のページをご確認ください
色域は、ノートパソコンとしては一般的ではないかと思います。
画素の拡大図です。画素はシンプルな形で色むらも少ないです。画面を確認してもギラツキは感じません。

画素の拡大図
※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影
総合ベンチマーク
本機でのベンチマークスコアを紹介します。
クアッドコアCPUを搭載しているだけあって、CPU関連のスコアは高いです。また、ディスク関連のスコアもやや高めです。
ただし、GeForce GT 555M(GDDR5 1GB)のグラボを搭載しているわりには、思ったよりもグラフィックス関連のスコアが伸びませんでした。
Windows エクスペリエンス インデックス

PassMark Performance Test 7.0

3DMark06(1.2.0 1901)

解像度:1280x720で実施
3DMark11(1.0.2)

「Performance」で実施
動画のエンコード時間のチェック

ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5
Core i7-2630QM、GeForce GT 555M(GDDR5 1GB)搭載のIdeaPad Y570について、動画のエンコード時間をチェックしました。用いたソフトは、ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5 です。
テストの結果は、x264でエンコードしたときが20分14秒、クイック・シンク・ビデオ(QSV)でエンコードしたときが9分36秒、GT 555Mを使ったGPGPU(CUDA)でエンコードしたときが12分04秒でした。
画質の綺麗なx264でも十分速く、QSVなら10分を切ります。
| エンコード方法 | エンコード時間 |
|---|---|
| x264でエンコード | 20分14秒 |
| クイック・シンク・ビデオでエンコード | 9分36秒 |
| CUDAでエンコード | 12分04秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
カードリーダー/ライターのチェック

SDカード挿入後の外観
IdeaPad Y570の対応カードの種類や、カードリーダー/ライターのベンチマーク結果です。
スロットは本体の手前にあります。カード挿入後の出っ張り具合は右図の通りです。カードの挿入/取り出しについては、つっかかりなくスムーズです。
対応しているカードは次の通りです。
| 対応カード | SD、SD Pro、MS、MS-Pro、MMC、xD |
カードリーダー/ライターのCrystalDiskMarkのベンチマーク結果を次に掲載します。尚、カードは人気の高いSanDisk Extreme Proと、シーケンシャルの転送速度が速いPanasonicのSDHCカードでテストしました。また、参考までに、高速転送可能なカードリーダー/ライターBSCRSDX3によるベンチマーク結果も掲載します(こちらは別PCでのテスト結果です)。
まずは、SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-Iカードを使ったベンチマーク結果です。本機の内蔵カードリーダー/ライターのシーケンシャルリード&ライトは、BSCRSDX3のそれに近いスコアが出ています。ランダムリード(4K、4K QD32)関しては、BSCRSDX3よりもスコアが高いです。

使用カード:SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-I
カードリーダーのベンチマークテスト結果
次に、Panasonic SDHC UHS-Iカードを使ったベンチマーク結果です。こちらも、速い速度が出ています。

使用カード:Panasonic SDHC UHS-I
カードリーダーのベンチマークテスト結果
以上より、本機は、UHS-Iに対応した十分高速なカードリーダー/ライターを搭載していると思います。
バッテリ駆動時間のチェック

バッテリ駆動時間は実測で4時間1分
ハードディスクへ保存したDVD相当画質の動画を再生させ、休止状態へ入るまでのバッテリ駆動を計測しました。
結果は、4時間1分のバッテリ駆動時間でした。
ホームノートにしては非常に長いバッテリ駆動時間だと思います。



